自分らしく穏やかに過ごせる生活支援

尊厳ある暮らしをサポートする、看取り介護の大変さとやりがい

看取り介護を担当する介護職の精神的負担を和らげる方法とは?

サービス利用者の死と向き合う、看取り介護の仕事には、多大な精神的負担がともなうものです。回復が見込めないなかで毎日利用者と付き合い、介護サービスを提供していく辛さもそうですし、看取った後に「もっと良い付き合い方ができたんじゃないか」などと、罪悪感や後悔を抱いてしまうこともあります。こうした精神的な負担をいかに和らげることができるかが、介護施設で看取り介護を円滑に行っていく上での重要なテーマとなるでしょう。

負担を和らげるコツとして大きく2つのポイントが挙げられます。「負担を個人ではなく、スタッフ全員で共有すること」と、「看取った後のケアも行うこと」です。実際に看取りを担当する介護職に負担を押し付けるのではなく、職場・チーム全体で情報や経験、感情を共有し、「より良い看取り介護」を実践するためにはどうすればいいかを検討していく。そして、スタッフが悩みや不安を抱えている場合にはその改称に努めます。

それから看取った後にも話し合いの機会を設ける。辛く感じた部分、先述したように罪悪感や後悔を感じてしまった部分も話し合うことで負担を和らげることができますし、嬉しかったこと、感動したことなどを話し合うことで、やりがいや充足感を味わう機会も得ることができるでしょう。

苦しみ、悲しみは分かち合うことで軽減し、喜び、嬉しさは分かち合うことで増幅する。このチームプレイの大前提をいかに現場で実践していくことができるか。これが看取り看護における介護職の精神的負担を和らげる重要なテーマとなります。

介護職による看取り介護が可能な施設とは?

看取り介護の需要が増していると言われますが、どんな介護施設でも看取り介護を行えるわけではありません。サービスの利用者が残された日々を過ごし、最期のときを迎えるのに相応しい環境を整えている必要があるからです。
すでに、さまざまな介護施設で看取り介護が導入されており、特養を筆頭に有料老人ホームや老人福祉施設などでも行われています。これは、看取り介護ができるかどうかは施設の種類で決まるのではなく、あくまで環境によって決まることを示しています。

じつは、看取り介護を行うことができるかどうかは、厚生労働省によって定められた算定基準を満たしているかどうかで決まります。どんな種類の介護施設であってもこの条件さえ満たしていれば行うことができるというわけです。

まず、常勤の看護師を必ず1名以上配置したうえで、医療機関などと連携し、24時間体制でケアができること。それから、看取り介護に関する実習を職員に対して行っていること。看取り介護の計画について、利用者の家族の同意を得ていること。加えて、看護記録などをしっかり作成したうえで、利用者・家族にきちんと説明すること、などが挙げられます。

ですから、看取り介護を行える介護施設で働きたいと思った場合には、まず、こうした条件を満たしているところの求人を探すことが大前提です。そのうえで、これまでどれだけ看取り介護に関する実績やノウハウの積み重ねがあるかがチェックのポイントとなってくるでしょう。なお、人手不足が原因でこれらの条件を満たせない介護施設が増えているとも言われており、今後この分野での人材採用が増えていくことも予想されています。看取り介護に関する情報は、こちらが参考になります。